前日は、長崎から周囲の離島にフェリーが出ている、大波止という所の近くのカプセルホテルに泊まって、端島(軍艦島)上陸ツアーです。前日の池島と合わせて、今回の旅行は、非常に廃墟な2日間です。
このブログで、2017年に端島に行った記事を書いてますが、初めて行ったのが、この記事の2016年で、投稿の順番が逆になっています。以前の記事で写真を貼っていますが、この旅行も、この端島がメインなので、少し紹介したいと思います。
この時の旅行に行った時は、神戸~長崎のスカイマークのフライトが1日2往復しかなく(2019年8月からは4往復)、帰りの便が午後3時過ぎだったので、朝一番のツアーしか選択肢がありません。午前9時頃に出発です。
1974年に閉山になって以来、長く一般人の立ち入りができない無人島でしたが、2005年以降に整備されて、2009年から上陸ツアーが始まりました。私は、確か、その記事を何かで読んだか、見たかしてずっと気になっていました。廃墟の写真集を買って見ていても、端島は、他の廃墟とは違う、何か異彩を放ってるって感じです。
人口4000人を超える海上都市だった島が丸々全部廃墟の無人島になっているスケールからか、折り重なるように建てられた集合住宅が放つ、独特の雰囲気からか、あるいは、今日より明日は良くなると皆が信じていた、この国に勢いがあった頃を垣間見る郷愁なのか、または、そのすべてなのか。
長い間の念願がかなってのツアーに出発です。
長崎を出港して東シナ海を進むこと約1時間、徐々に島がはっきりと見えてきます。満員のクルーズ船ですが、私はたまたま、人のあまりいない船尾に座っていたので、近づいてくる島を、ずっと眺めることができました。
映像や写真で見続けた景色が目の前に広がります。
沖合に出たら、海が時化たり、天候が変わったりする場合があって、しばしば上陸できない日もあるそうなんですが、この日は、全然問題なしです。
端島が、炭鉱として稼働していた頃は、建物の屋上に農園を作っていた以外は、植物の緑がまったく無かったそうですが、廃墟の無人島になって以来、自然は少しずつ、コンクリートの文明を侵食しています。
上陸ツアーと言っても、プールや鉱山施設があった場所に、300ⅿ程の見学用通路と広場を設けてあるだけで、高層アパートの方には行けません。この翌年に行った時は、あちこちを工事用の単管等で補強してありました。世界遺産になったので、朽ちるに任せているという訳にもいかなくなったのでしょうか。この時点では、手つかずの廃墟でした。
要所々々で、元島民だったガイドの方が、島に住んでいた頃の話を聞かせてくれます。建物を指さし、あれがこう、それがこうと非常にリアルで興味深い話を聞かせてくれます。話に聞き入ってると、写真が撮れないし、場所によって、レンズも交換したりと、1時間程度の上陸の間、かなり忙しく過ごしました。
映像や写真では何度も見た景色なんですが、現実の端島を目の前にすると、メディアではわからない、朽ちていくコンクリートや煉瓦の肌合い、廃墟を吹き抜ける風等、感覚にリアルに響きます。
写真で見た、島が賑やかだった頃の光景が、朽ちた高層アパートにふと立ち昇るような感覚になりました。
最後に、クルーズ船が、島の周囲を周回してくれます。高層アパート群も間近にみれますが、双眼鏡などを用意すると、より楽しめると思います。
この廃墟の島を見ていると、過去から現代に伝えられた、何かの遺跡を見てるような気がしました。
おわり