前日は、ほとんど列車に乗って移動してるだけって感じの一日でしたが、翌日は路線バスの一日です。
乗車したのは、近鉄大和八木~JR新宮駅の、走行距離が約170㎞、バス停の数が167、高速道路を走らない路線バスでは、日本一の長距離を走るバスです。通しで乗車したら、約6時間の乗車時間になります。
八木発、新宮発共に1日3便運行しています。
今回は、青春18きっぷの残りを使うのが目的だったので、終点の八木までは行かずに、途中の奈良県のJR五条駅までの乗車です。
新宮駅を朝5時53分発の1便に乗車しようと思ってたんですが、例によって朝起きれなくて、次の7時46分発で出発です。
バスは市街地を抜けると、熊野川沿いに山に向かって走ります。
リグライニングはしませんが、都会を走っている路線バスよりは座り心地のいいシートです。この時点で、乗客は私を含めて3人です。
熊野川を離れると、河原を掘った露天風呂で有名な川湯温泉や湯の峰温泉等、紀伊半島の山沿いの名だたる温泉街に立ち寄っていきます。バスの窓から眺めているだけでも、うっとりするような温泉情緒が漂う、ややひなびた風情の温泉街です。
温泉街で若干の乗り降りはあったものの、2、3人の乗客を乗せて、昔のままの狭くて曲がりくねった山道を、バスは危なげなく走っていきます。
9時過ぎに、熊野本宮大社に到着しました。ここで途中下車です。この路線、同一方向なら途中下車して次の便に乗ってもいい、バスハイク乗車券というきっぷを販売しています。2日間有効で若干割引価格になっているので、上手く使うと、途中の温泉地で宿泊して、あちこちに立ち寄ることも可能です。
何度か来たことがあるのですが、やはり、いつも境内は凛とした雰囲気です。
階段を昇る参道の横に、熊野古道を思わせるような道もあります。
熊野本宮大社は、元々は、川の中州にあったそうですが、水害の被害を受けて、明治24年に現在の場所に移転したそうです。元の場所には、大きな鳥居が建っています。
2時間程度、本宮に参拝したり付近を散策してるうちに出発の時間になりました。
次の便も乗客は少ないです。
奈良県に入ると、十津川温泉で休憩です。路線バスですが、十津川温泉、上野地、五条バスセンターの3回の休憩があります。
十津川温泉も古くからの温泉街で、ダム湖沿いの古い旅館が風情があります。
風呂に浸かりたいのはやまやまですが、このバスを降りると次が無いので、仕方なく十津川温泉を後にしました。
しばらくすると、次の休憩地、上野地です。ここは、谷瀬のつり橋という、人のみの通行橋なら日本一の長さのつり橋があります。約20分の休憩なので、急げば往復できます。橋が一度に20人以上は渡れないので、一年に何度かの混雑時は往復は無理かも知れません。
かなり揺れますが、ちょっとした空中散歩が楽しめます。
子供達が小学生だった頃に、この近くにキャンプに来た時、びびらせてやろうと思ってここに連れて来たんですが、3人共、キャッキャッと喜んで橋を往復してるのを見て、がっかりしたのを思い出しました。
駐車場に笑える落書きが…
そうこうしてるうちに、バスはJR五条駅に到着しました。朝から合計5時間ちょっとのバス旅でした。結局、バスが混雑したのは、五条市内に入ってから、下校の学生が乗り込んできた時だけでした。
夜行の高速バス以外で、めったに長時間バスに乗ることが無いけど、鉄道のローカル線とは違う風情がありました。
JR五条駅に、柿の葉寿司の売店があったので買って帰りました。
ずっと、電車やバスばかり乗ってましたが、さんま寿司、めはり寿司、柿の葉寿司と名物は、とりあえず食べれました。
おわり