2022年1月4日、青春18きっぷの残りを使おうと思って、岡山のロープウェイの廃線跡に行ってみました。
1956年に山上の京山八方閣へのアクセスとして開通し、山上が京山ロープウェイ遊園に発展、1998年に閉園後、経営が変わって岡山スカイガーデンととして再オープン、2007年に遊園地の閉鎖と同時に廃止になったようです。
高低差58m、全長160mで一時は全国で一番距離の短いロープウェイだったそうです。
現在はロープウェイの鋼索やゴンドラは撤去されていますが山麓、山上の駅が現存しています。
JR岡山駅から20分程度歩くと池田動物園があります。隣接して遊園地がありました。動物園と遊園地をセットで一日遊ぼうというファミリーも多かったと思います。特に、アクセスがロープウェイというシチュエーションには、子供達は喜んだんじゃないでしょうか。
ロープウェイの切符売場が、まるで現在も稼働しているような佇まいです。
乗場に続く階段です。階段を上ると、ロープウェイに乗車できそうな雰囲気です。
ホームへの通路には柵があって先へは進めません。
この通路を、子供達はわくわくしながら歩いていたんでしょうか。
かつて、多くの歓声が沸き上がっていたであろうホームには、もうロープウェイのゴンドラが到着することはありません。
ロープウェイの軌道の跡がハイキングコースになっていて、山上まで歩くことができます。階段も設置してありますが、非常に歩きにくいハイキングコースです。
途中にロープウェイの設備の一部だったのか、コンクリートの建造物があります。
お世辞にも快適とは言えない登山道を上ると山上駅が現れます。こちらも現役当時の佇まいです。
山上駅に到着すると、眼下に岡山の街が一望できます。ここに到達するまでの登山道、距離は短いけど傾斜がきつくて汗をかきました。
山上駅のロープウェイの管制室、事務室のドアが施錠もされずに中に入れますが、廃墟によくある人為的な破壊や落書きは全然ありません。さすがに傾斜のきつい山道を歩いて、下らない事をする輩はいないみたいです。
山上駅のホームを抜けたら遊園地へのゲートウェイです。
展望デッキだったような場所をいくつか通ると、遊園地のランドマークだった円形の建物が現れます。
現役時代は京山タワーと呼ばれ、展望台やレストランだったそうです。現在は京山ソーラーグリーンパークという、太陽光発電と植物工場を連携させた生産、研究施設として稼働しているそうです。
現役で稼働している建物ですが、廃墟感は満載です。
かつては、観覧車やメリーゴーランド等の遊具が設置してあったそうですが、現在は撤去してありません。
現役で稼働していた頃に来たことはないのですが、敷地の規模やレイアウトから思うに、比較的小さな子供のいるファミリー向けの遊園地だったんではなかったんでしょうか。
通路を歩いていると、うっそうと伸びた草木の間から、時折ジェットコースターのレールのような物が見え隠れしています。
やはりジェットコースターのレールだったみたいで、乗場に着きました。
ペアで乗車する規模の小さなジェットコースターだったようです。
草木に埋もれたレールですが、かつては多くの歓声がこだましていたんでしょう。
親子で遊ぶにはちょうどいいジェットコースターだったようです。
イベント広場の看板が残っています。
林になってしまった園内には、いくつかの遊具が草に埋もれています。
野外イベントの会場だったんでしょうか。広場と段になった客席のようなスペースがありました。
次に、退役した航空自衛隊の戦闘機ロッキードF104Jが展示してあります。この戦闘機は1960年代から80年代半ばにかけて配備されていた物です。
この戦闘機が展示してある付近は、手入れがされているみたいで、非常にきれいに保たれています。
戦闘機の横の草むらには、遊具が放置されていました。
伸びた草木の間から所々見え隠れするジェットコースターのレールを眺めながら、来た道を戻りました。
荒れた風情がなくて、静かに朽ちていく遊園地の跡、とても風情のある廃墟でした。
かつては笑顔があふれていたことを想像すると、切ないような物悲しい気分になりました。