2021年5月6日 和歌山の友ヶ島に行ってみた後に、和歌浦に立ち寄ってみました。
和歌浦は国指定の名勝、紀州東照宮等の観光名所、片男波海水浴場等もあり、1920年頃から60年代までは国内屈指の非常に栄えた観光地だったそうです。70年代頃から、国内の他の観光地が人気になったり、近くに工業地帯ができて景観を損ねたり等が原因で徐々に集客力を失い、90年代には閉業した旅館やホテルが増え、2000年頃には、廃墟マニアのメッカという状況になりました。これは香川県の屋島も同じような状況です。
80年代以降の温泉ブームが、温泉地ではない和歌浦の衰退に拍車をかけたようです。
現在は廃墟の多くは解体撤去されましたが、まだいくつかの廃墟が放置されています。
車を駐車場に停めて海岸の方に歩くと、いつの頃の物なのかわからない遊歩道(多分)の残骸があります。
廃墟に興味のない人なら、一体これが何なのかまったくわからないと思います。
海側には、現在も歩ける遊歩道がありますが、こちらには廃灯台が鎮座しています。
昔、実際に灯台として機能してたのか、遊歩道の意匠のオブジェだったのかはわかりませんが、寂れた雰囲気を際立たせています。
砂浜の向こうは現在も稼働しているホテルがあります。
シーサイドの絶好のロケーションです。
廃灯台のある遊歩道の横は斜面になっていて、原型をとどめていないコンクリートの基礎がへばりついています。帰って調べてみたら、どうも旅館の跡だったみたいです。
廃トンネルに続く道の下には祠があります。こちらは誰かが手入れをしているようです。
海岸沿いを離れて、やや高台にも閉業した古いホテルが点在していますが、廃墟マニアの間では泊まれる廃墟と評判だった七洋園。
以前からほぼ外観はどう見ても廃墟だったんですが、実際には営業していて宿泊することができました。よほどのもの好きが、こわいもの見たさに泊まりに行くというという感じだったようです。宿泊した人のトリップアドバイザーの投稿が物語っています。
2017年にオーナーが亡くなられて以来、本物の廃墟になっています。
順番が前後しますが、昼食はわかうら食堂で食べました。
こちらはかつては石泉閣という老舗の高級料亭でしたが、2001年当時の和歌山市長と料亭の若女将が結託した汚職事件以来、廃屋になっていましたが、2019年にリノベーションしてオープンしています。
旅館だった部分は廃屋のままですが、料亭だった部分はレトロな雰囲気がいい感じの食堂になっています。
値段も手ごろで美味しいランチでした。お酒のメニューも色々ありましたが、車だったのが残念でした。