2018年は、愛媛県の新居浜に出張してました。諸般の事情で、週末は毎週家に帰ってましたが、仕事の都合で平日の休みになった日は、近くを散策してました。
今治市の小島(おしま)です。1899年に、広島県の大久野島と共に、日露戦争に備えての瀬戸内海の西の守り、芸予要塞として完成しました。周囲3㎞の小さな島です。
その後、更に西の豊予海峡に佐多岬砲台等の豊予要塞が完成したため、1922年に廃止になり要塞としての役目は終えました。その後、地元の実業家が史跡公園として整備し、第二次大戦後は、軍事施設の多くを破壊して畑に転用、1970年頃から、今治市が再度、公園として整備したそうです。
今治市の波止浜から小さなフェリーに乗船して15分、小島に到着します。雨の平日、乗客は、郵便配達の職員さんと私でけです。波止浜港のすぐ横が、来島ドックの造船所です。
小島、郵便屋さんも通ってるし、家や畑もあるので無人島ではないと思うんですが、人の姿を見かけないし、廃屋が目立ちます。
船着場で見た観光マップを頼りにしばらく歩くと、煉瓦造りの要塞跡に到着です。
雨に濡れた石と煉瓦の組み合わせがいい感じです。
発電所跡です。屋根や樋は、最近付けた感じです。
更に進むと、地下室や兵舎、砲台が現れます。
途中に小さな祠があります。要塞として稼働してる頃からあったんでしょうか。
弾薬庫跡です。
砲台跡です。
島の斜面を使った、半地下の構造の建物が続きます。
指令所の上はこんな感じです。見張りを置いていたんでしょうか。
半地下の構造の要塞は、それぞれのエリアが地下道でつながってる場合が多くて、ちょっとダンジョン探索気分にひたれます。
島の北側の砲台跡が一部、爆撃によって損傷を受けてますが、これは、敵国との戦闘によるものではなく、訓練によってだそうです。
要塞が廃止になってから一度、砲台を標的にして、陸軍と海軍の航空隊が爆撃訓練を行い、多くの付近の住民が見守る中、どちらも標的には一発も当たらず、砲台が破壊を免れたらしいです。後日、陸軍の航空隊が再度爆撃訓練を行って、一発だけ当たって砲台が少し損傷しました。長閑な爆撃訓練だったみたいです。
結局、島に2時間半程滞在しましたが、誰にも会うこともなく、静かに廃墟の散策ができました。
つづく