瀬戸大橋の中ほどに、与島PAがあります。高速道路の本線からループを回って下りると、やたらとだだっ広い駐車場があるけど、建物は、ごく普通のサイズのPAです。
近年は、瀬戸内芸術祭で、香川県や岡山県の瀬戸内の島々は、アートで賑わってますが、この島は素通りしてるみたいです。広大な駐車場に、まばらな車が、もの寂しげな雰囲気です。
PAの建物のある駐車場から、少し奥に行くと、第二駐車場があります。メインの駐車場もスカスカなんですが、第二駐車場は、たまに釣りをしに来た人の車が停めてあるくらいで、普段は人気がありません。
かつて、ここに瀬戸大橋フィッシャーマンズワーフというレジャー施設がありました。1988年に瀬戸大橋が開通した時にオープンした施設で、当初は、京阪電鉄の経営でした。レストランや土産物等の売店、橋の周囲を周回する遊覧船、レーシングカート場等を建設し、遊覧ヘリコプター、パラセイリングを始めとしたマリンスポーツと、一大レジャー拠点でした。橋が開通した初年度は、予想の倍の売り上げがあったらしく、この島を、瀬戸内海の観光拠点にするといった計画も浮上したらしいです。バブルで浮かれてた世相と、ぴったり一致したって感じです。
しかし、人気は長続きはせず、業績悪化で、2003年で京阪は撤退、後を引き継いだ会社も、植物園を作ったり、温泉を掘削したりと、てこ入れはしたものの、徐々に施設は縮小、2011年には完全に閉鎖になって、建物も解体されました。
跡地は、ソーラー発電のパネルが並んでいる他は、建物を解体した後に残ったがれきや、錆びた桟橋、遊歩道の伸び放題の雑草、半分枯れたヤシの木等、廃墟の雰囲気が漂っています。
賑やかだった頃に、ここには何度か来たことがあるので、現在の寂れた様子が、感慨深いです、まさに、夏草や 兵どもが 夢の跡。